慢性的な肩こりでお悩みの方へ

執筆者:柔道整復師・鍼灸師 筒井一輝

作成日:2020年05月18日

最終更新日:2020年10月31日

なぜ肩こりは起きるのか?

肩こりになってしまう原因として、ここでは大きく3つに分けてお話していきたいと思います。

 

原因その1 姿勢の乱れ

肩こりの原因として最もよく聞くのが「姿勢がおかしい」「身体が歪んでいる」という言葉ではないでしょうか?そもそも姿勢が悪くなる原因に、長時間不自然な姿勢をとり続けていることが考えられます。

これはデスクワークの方によくみられる傾向で、仕事に集中していることで姿勢が悪くなっていることに気づかず、そのまま固定されてしまっていた方が多いです。

またここ近年ではパソコン、スマートフォン、ゲーム機など首、肩に負担がかかる場合が多くなっているのも現状です。デスクワークに限らず、姿勢がおかしいと感じる方は意識的に正しい姿勢を心がけるようにしましょう。

 

原因その2 筋肉バランスの乱れ

首や肩周りには、これらを支える筋肉があります。この筋肉は常に負荷がかかっており緊張し続けています。この筋肉の緊張のバランスが乱れてしまうと、筋肉の硬直による血行不良やリンパの流れ、疲労物質の蓄積により肩こりなどが発生してしまいます。

 

原因その3 加齢による衰え

40歳を超えたころから見られる傾向として、背骨にある「椎間板」が硬くなってしまい「頸部脊椎症」という症状を引き起こします。「椎間板」は人体にとって非常に大切な部分なので日ごろから適度なストレッチや正しい姿勢を心がけましょう。

 

※こんな事も原因に!?

肩こりは血行が悪くなると起こりやすくなるのはよく小耳にはさむと思いますが、実は血行が悪くなる繋がりで血圧に異常が見られる場合(低血圧、高血圧や貧血など)にも原因になることがあります。

その他にもストレス性の肩こりや、主に顔面を承知とした症状(歯の噛み合わせ、目の疲れなど)を原因とするものが挙げられます。

肩こりのしくみ

肩こりは日常生活の中からの、ストレス反応のひとつと言えると思います。自分にとって無理のかかる姿勢や動作などの関節や筋肉にかかる負荷や、仕事が忙しすぎたりプレッシャーとの闘いなど、何かを乗り越えるために神経系が乱され、肩こりに関わる筋肉が緊張してしまうといったことです。

 

また、居心地の悪い環境などにも影響されることがあります。本来自分の身を守るための反応なのですが、それが結果として、肩こりに関連する筋肉の緊張を生んでしまい、肩こりで不快な思いをして、さらにそれが肩こりの慢性化へ繋がるということが考えられます。

 

【肩こりはこうして繰り返される】

➀.デスクワークで長時間同じ姿勢で体に負担をかける、精神的なストレスで悩まされるなど、体に良くない刺激が入る。

 

➁.自律神経系が乱れ、体を緊張させる交感神経系の働きが優位になる。

 

➂.血管が収縮し、血行が悪くなり筋肉の緊張が強まる。

 

➃.筋肉へ酸素が運ばれず、酸欠状態になってしまう。

 

⑤.痛みの物質が産生され、神経が刺激されることで脳へ伝えられ、不快感や痛みとして感じてしまう。

 

⑥.この痛みや不快な情報によって、さらに筋肉の緊張が起こり肩こりが慢性化していく。

肩こりの種類

肩こりでも種類があり、2つに分かれます。

 

1.本態性肩こり

本態性肩こりは原因ははっきりしないが、症状としては現れているものを指します。

 

①過労/精神ストレス・睡眠不足

体内の疲労物質(乳酸)などが解消されず、筋肉中に蓄積されたことにより、筋肉が硬くなりコリを感じる。

 

②寒冷(冷房も含む)

寒さを感じると、無意識的に身体を緊張状態にして小刻みに動かし熱を作ろうとする(=ふるえ熱産生)。過度の緊張と低下した体温により血流不足を起こし、コリを発生させる。

 

③運動不足

筋肉の柔軟性と筋力が低下し、血管へかける圧力が減ることによって筋肉そのものが硬くなり、コリを感じる

 

④姿勢の悪さ

いわゆる「猫背」の状態になると、5㎏程ある頭部の重みを背骨で支えられていない。首と肩回りの筋肉で前方に倒れないように引っ張っている。

なので、常に筋肉が緊張状態になっている。

 

⑤加齢

筋力の低下により姿勢が悪くなり、筋肉にかかる負担が増大しコリやすくなる。

 

 

 

2.症候性肩こり

→現代医学の各領域で説明のつくもの。

 

①整形外科領域

・脊椎の疾患(頚椎症・むちうちなどの頭頚部外傷後遺症ほか)

・肩関節の疾患(五十肩、肩関節外傷など)

・胸郭出口症候群(第一肋骨、鎖骨、斜角筋に囲まれた狭い部分で神経や血管が締めつけられる疾患、女性に多い

 

②内科疾患

高血圧、低血圧、動脈硬化、貧血、心筋症、心臓の冠状動脈疾患、心不全、肺疾患、甲状腺疾患、肝臓疾患、膠原病(慢性関節リウマチなど)

 

③眼科疾患

乱視、近視、眼精疲労、メガネの度数・フレームが合わない

 

④歯科疾患

顎関節症、入れ歯や歯列矯正等の噛み合わせなど

 

⑤耳鼻咽喉科疾患

慢性扁桃腺炎、内耳・中耳・外耳疾患など

 

⑥更年期障害

 

⑦精神神経科領域

心身症、自律神経失調症など

肩こりの頻度

肩こりの男女比は約1:2(男:女)と言われています。年齢別では30~60代の男性の2位に「肩こり」がランクインしていますが、20~60代の女性の1位に「肩こり」が挙げられているので、いかに幅広い層の女性が肩こりに悩まされているかがうかがえます。

 

肩こりが女性に多い理由は以下が理由と考えられています。

 

①女性の筋肉の直径は男性よりも細い

 

②肩こりの原因となる筋肉の速筋繊維(白筋)と遅筋繊維(赤筋)が男性より細い

 

③柔軟性が高く靭帯や関節が伸びすぎ、筋肉や脊柱に無理がかかりやすい

 

④女性にはワープロやパソコンの操作をする従事者が多い

鍼灸で肩こりを治しましょう!

肩こりは様々な要因が元となって発症します。鍼灸施術は特に肉体疲労・目の疲れ・精神疲労・冷え等、自律神経の乱れによる肩こりに絶大な効果を示しています。

鍼灸施術の内容

後頭部と首との境目や首と肩の付け根はもちろん、肩甲骨周辺の筋肉の凝ってる部分に鍼治療をしていきます。また自律神経の乱れを鎮めるため、首から背中にかけての背骨沿いやおへそ周りのツボを選んでそれらにも治療していきます。

背骨やおへそ周りには自律神経の束が集まっているので、肩こりをより解消することができます。

また肩周りには脾経・胃経・胆経・膀胱経等々多くの経絡が走行しているので、コリの部分だけにこだわらず、各経絡に関わる手・足のツボを使って、全身的に治療していきます。

 

※経絡とは…

東洋医学で考えられる循環・反応経路のことを言います。特定の内臓と機能的に連絡をしているいくつかの連絡路が体内にあるとし、それを皮膚面に投影したものを経絡と呼んでいます。

経絡が外界と関係を持つ点を経穴(ツボ)という。各経絡は一定のルートに従い、全身をくまなく網羅しています。

重要な経絡は14本あり、体の不調はこの経絡を通じて経穴に伝えられます。

反対に鍼灸施術によりこの経穴に刺激を与えて病気をコントロールすることができるとされています。

東洋医学独自の重要な概念の一つとされています。

かがやき鍼灸整骨院の鍼灸施術

かがやき鍼灸整骨院では、鍼灸施術で肩こりの辛い症状を改善に導きます。鍼(はり)に関しては「痛そう」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、実際にはお子様からお年寄りまで安心して受けられる刺激の施術です。

 

手技だけでは届きにくいようなお体の深部を刺激することにより、痛みや頑固なコリなど、さまざまなものについて改善を目指すことが可能です。一人ひとりに合わせた施術をおこなっておりますので、初めて鍼灸を体験される方にも心地よさを感じていただけるかと思います。

 

もちろん、安心してお受けいただけるよう丁寧なご説明もさせていただき、ご納得いただいたうえで施術をしておりますので、何かわからないことなどがありましたらお気軽にご質問ください。

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